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Galaxy AIは“親切すぎる友達”。大阪取材で見えた、ユース世代に寄り添う新たなAIのかたち

2025/07/23

推し活、旅、学校、バイト、恋、家族──ユース世代の毎日はとにかく忙しい。そんな暮らしに、ちょっとおせっかいだけど、やたら気が利く“親切すぎる友達”がいたらどうだろう。Galaxy AIは、そんな存在に限りなく近いのかもしれない。

2025年夏、大阪・関西万博やGalaxy Studio Osakaを巡って気づいたのは、GalaxyがAIで目指しているのは「すごい技術」ではなく、「すごく気が利く体験」だったということ。今回はそのリアルな現場から、Galaxy AIの“寄り添い力”をレポートする。

まず訪れたのは、関西万博のテーマウィークスタジオで行われたサムスンとクアルコムのキーパーソン同紙によるパネルディスカッション。Samsung Galaxy S25シリーズやSamsung Galaxy Z flod7 / flip7などに搭載された「Galaxy AI」のコンセプトはズバリ、“人間中心”。つまり、人ががんばらなくても、AIが空気を読んで助けてくれるようにするという考え方だ。

左がサムスン電子(韓国本社)のモバイルエクスペリエンス事業部門テクノロジー戦略チーム長ソン・インガン氏。右がクアルコムコリアの副社長スペンサー(サンピョ)キム氏

たとえば、スマホ画面に表示された文字や写真を指で囲むだけで検索できる「かこって検索」。旅先で出会った鳥のイラストに指を沿わせると、名前や習性まで即表示。しかも、説明文が外国語でもカメラを向けるだけで自動翻訳される。

そして「愛犬同伴で行けるイタリアンで屋外テーブルがあるお店を予約して」と話しかけると、AIが自分で検索→カレンダーに登録→予約まで完了してくれる。いちいち複数のアプリを開いて、検索して、登録して、送信して…そんな工程はもういらない。Galaxy AIは、“やらなきゃ”を“もう終わってるよ”に変えてくれる存在なのだ。

この“おせっかい力”はファッションにも効いてくる。スマホに自分の本日のコーディネートを示すと、その日の天気やスケジュールに合わせて、着ていく服やアクセサリーなどをAIが提案。しかも、色合いや組み合わせも自然で、やたらセンスがいい。

また、レストランで初めて見る料理に出会った時も、Galaxy AIにカメラを向けるだけで**「これ何?」「どう食べる?」「人気ある?」を即答してくれる。つまり、推しの舞台挨拶で何を着ていくか、行き先で何をどう食べるかまで、Galaxy AIはこっそり支えてくれるというわけ。

Galaxyの開発チームが語っていたのは「AIを“道具”から“相棒”へ」という考え方。それってまさに、「自分のことをよく分かってくれてる友達」じゃないかと思った。

• 電話の内容をリアルタイムで文字にしてくれる

• 動画の風の音だけを消してくれる

• 写真に写り込んだ知らない人をサッと消してくれる

• チャットのメッセージを相手の言語に自動で翻訳してくれる

もはやこれは、あなたの横でずっと“ちょうどいい気遣い”をしてくれるAI。「大丈夫、やっておいたよ」って言ってくれる、ちょっと頼りになる友達みたいだ。

Galaxy Studio Osaka住所:〒542-0076大阪府大阪市中央区難波3-8-9なんばマルイ 1F営業時間:11:00〜20:00 ※定休日はなんばマルイ営業日に準じます

とはいえ、いきなりそんな気遣いできる友達が現れたら、それはそれで戸惑う可能性もある。そんな友達との付き合い方を教えてくれるのがGalaxy Studio Osaka。AIと自然に友達体験できる入り口だ。

大阪・なんばのランドマークのようなこの場所には、スマホを触りにくる人だけじゃなく、ちょっと未来の使い方を試したい人たちが集まっている。カメラの暗所撮影「Nightography」、リアルタイム通訳、AIの写真編集、Sペンでの描画…まるで“未来のスマホ体験テーマパーク”。

専門スタッフも話しやすく、「こんな時どうしたらいいの?」という問いに答えてくれる。来ているのはGalaxyユーザーだけじゃない。“気になってる人”も多いのが印象的だった。そしてそこには、製品を「買わせよう」とする空気はない。あるのは、「こうやって使ったら、もっと楽しくなるよ」という提案と、一緒に楽しむ空気だった。

iPhoneが“みんなが持ってるスマホ”だとすれば、Galaxy AIは“私のこと、ちゃんとわかってくれてるスマホ”かもしれない。スペックよりも、SNSの見栄えよりも、“手間が減って生活がちょっと快適になる”という実感が大事になってきている今、Galaxyの考える「親切すぎるAI」はユース世代に多くいる“いい人”感覚と自然に重なってくるかもしれない。

選ばれる理由はスペックじゃない。共感。Galaxy AIは、ちょっと前を歩いて、ふと振り返って「大丈夫?」と聞いてくれる、そんなホッとできる存在だ。

Text by 滝田勝紀