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“避ける”から“片づける”へ。 “腕”を持ったロボット掃除機『Saros Z70』に未来の掃除を見た!

2025/06/13

2025年1月、ラスベガスでのCESにおいてセンセーショナルにお披露目されたロボットアーム搭載のロボット掃除機「Roborock Saros Z70」。その画期的な機能性と開発背景が、5月27日に日本国内で開催されたRoborockの記者発表会 「Rock A New ERA」で、さらに明確になった。

今回発表された「Saros Z70」の最大の特徴は、世界初の量産型ロボットアーム「OmniGrip」の搭載です。このロボットアームは、床に落ちたティッシュや靴下、スリッパなど、軽い物体を拾い上げて適切な場所へ移動させることができます。ロボット掃除機としては今まであり得なかった機能であり、掃除の概念を大きく変えるものとなっています。

「私たちが目指したのは、掃除機が“片づけ”までできるようになることです」と語ったロボロックのAPACマーケティング責任者、ダン・チャム氏の言葉通り、Saros Z70は掃除だけではなく、物の整理までも行うことができる未来型の製品です。

実際にその動きを見てみると、ロボットアームは非常にスムーズに物体を掴み、あらかじめアプリにより指定した場所に正確に運んでいます。この革新により、従来のロボット掃除機では実現できなかった“片づけ”というタスクまでこなせるようになったことは、今後の進化次第では、家事の効率化に大きな影響を与えるかもしれません。

現状のロボットアームは300g程度の軽量な物体の移動に限られていますが、今後の技術革新で強度や長さが向上すれば、テーブルの上に物を置くなど、さらに実用的な用途にも広がることが想像できるからです。

「ここ数年、ロボット掃除機はAIやソフトウェアの進化に焦点を当ててきました。しかし、Saros Z70は物理的な進化を重視して、ユーザーの日常生活に革命をもたらすことを目指しました」と日本PRマネージャーのアンダーソン勇介氏は語っています。

ロボロックはこれまでも段差を乗り越える技術や、狭い隙間に届くブラシを開発してきました。最大40mmの段差を自力で乗り越える機構、部屋の角に届くよう伸縮可能なブラシなど、掃除できる範囲をフィジカルに拡張する試みを続けてきました。

Saros Z70はその延長線上にありながら、まったく新しい革新――ロボットアームによる“拾って片づける”という機能を実現しています。さらに、AI技術と組み合わせた障害物認識や、自動的に掃除を効率化する機能が搭載されており、ユーザーの負担を劇的に軽減しています。

ロボット掃除機市場は2025年現在、急速に成長を続けています。特に日本市場では依然としてアイロボット(ルンバ)がトップシェアを維持してはいますが、Roborockも急速にシェアを拡大中です。

2024年のIDC調査によると、Roborockは出荷台数ベースで世界市場シェア16%、売上高ベースで22.3%を獲得し、世界No.1ブランドとなりました。この実績は日本市場における認知拡大と信頼獲得にもつながっており、iRobotとのシェアの差は確実に縮まってきています。

現在「Saros Z70」はアメリカ、オーストラリア、韓国、フランス、ドイツなどで先行発売されています。日本での発売時期は未定ながら、都市部のコンパクトな住空間や高密度な生活スタイルにおいて、本機のポテンシャルは非常に高く評価されるはずです。

ひと足先にそんな先進テクノロジーを感じたければ、今回記者発表会にて同時に発表されたフラッグシップモデルRoborockは「Saros Z70」だけではなく、すでに日本市場においてもユーザーの声を取り入れた高性能モデルを複数展開しており、それらを購入するのをおすすめします。段差を乗り越えるアダプティブ機構や、水拭きと吸引を自動で切り替える多機能モデルなど、その進化を体験してみてください。

Text by 滝田勝紀