
奄美大島の自然文化を伝えるアートプロジェクトが始動決定!
2025/12/26

「泊まれるアートミュージアム 琉球ヴィラ」が、奄美大島での大規模リゾート開発による環境破壊を阻止するため、文化芸術活動を通じた課題解決を目指す「奄美の危機を脱するためのアートプロジェクト」を12月20日(金)に開始した。
世界各国からアーティストを招へいし、現地で制作した作品を国内外に発表することで、世界自然遺産・奄美大島の自然環境とその価値を広く伝えることを目的としている。

2021年に世界自然遺産に登録された奄美大島では現在、急速に進む開発により、景観や自然環境の喪失が危惧されている。なかでも、創世神話の神が降り立ったとされるアマンデーの山と、その神を祀るアマミコ神社を擁する節田集落では、12階建てのホテル建設計画が浮上。景観破壊や汚水による海の水質悪化、樹木伐採による環境破壊に加え、島に根付く自然崇拝や祈りの文化が希薄化することへの懸念が高まっている。
こうしたなかで求められているのは、島が本来持つ価値を、異なる視点から丁寧に伝えていくことだ。本プロジェクトは、そのための新たなアプローチとして立ち上げられた。
プロジェクトでは、世界各国のアーティストを奄美大島に招へい。島の環境文化や自然の特異性を体感しながら制作活動を行うことで、言葉だけでは届きにくい島の現状や価値をアートを通して可視化していく。完成した作品は奄美大島内の美術館や商業施設、招へいアーティストの地元ギャラリーなど国内外で幅広く展示される予定だ。

参加アーティストには、琉球王朝時代の建築技法を現代建築に取り入れた「泊まれるアートミュージアム 琉球ヴィラ」を無償提供する。約2800平方メートルの敷地内には奄美大島にゆかりのあるアーティストの作品が展示されており、これまでにもパリ在住のANnCO MIURA、群馬県のShuhei Fukuda、京都府のKonirowらが滞在制作を行ってきた実績がある。

現在、プロジェクトの運営費確保に向けて、アートポスターやアートTシャツなどを返礼品としたクラウドファンディングを実施中。また、文化庁が推進する「アーティスト・イン・レジデンス型地域協働支援事業」との連携も視野に入れ、補助申請も進めている。
奄美の環境文化と島が抱える課題を世界につなぐ橋となる本プロジェクト。島の本質的な価値を多くの人に伝え、奄美らしい未来を守る一歩となることが期待される。