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岡本太玖斗、BASSDRUMらが参加する老舗呉服メーカー矢代仁による展示が京都で開催

2025/10/03

創業305年目を迎える呉服メーカー問屋・矢代仁が、着物を「着る」という行為にフォーカスした展示を開催。シワや着付け、音、しまいかたといった切り口から、現代における「きもの」と人との関係を探る。

1720年に京都室町二条で創業した呉服メーカー問屋・矢代仁が、創業350周年に向けたプロジェクト「YSN:ゆっくり・しっかり・のこす」の第2回展示を行う。会期は2025年10月1日(水)から12日(日)まで、会場は創業の地でもあるGallery SUGATA。

今回のテーマは「うごく・かさなる・“きもの”になる」。着物を「着る」ことを切り口に、5つの企画が展開される。BASSDRUMはモーションキャプチャを用い、御召の特性や身体の動きを解析しながら「シワ」という現象に迫る。服部和子きもの学院と小形道正は、生活着からハレ着、さらにはコスプレに至るまで、時代ごとに変化してきた「着付けの正しさ」を問い直す。グラフィックデザイナー・岡本太玖斗は、着物をまとう際に生まれる布や紐の摩擦音を録音し、可視化することで「着る音」の存在を浮かび上がらせる。演出家・福井裕孝は、着物にモヤモヤを抱く参加者との対話を重ね、その記録を「しまいかた」と題した上演として提示し、そのアーカイブを展示に組み込む。さらに会期中には、これらの調べものをめぐるトークイベントも行われ、科学や社会学、デザインの視点から「きもの」を考える場が広がっていく。

会期中のプログラムには、プロジェクトチームによるギャラリーツアーをはじめ、「動きとシワ」の科学と技術をめぐる対話や、「着る」の社会学と現場から着付けを見つめ直すセッションなどが予定されている。また、編集やディレクションの裏側を語るトークも組まれ、展示の背景にある思考を知ることができる。詳細は公式サイトで随時更新される。

さらに本展は「KYOTO EXPERIMENT 2025(京都国際舞台芸術祭)」の関連プログラム「More Experiments」としても位置づけられており、9月2日には「(きものの)しまいかた」と題した関連上演が行われる。演劇の手法を取り入れ、参加者との対話を舞台上で立ち上げる試みで、そのアーカイブも展示に反映される予定だ。

伝統の継承と現代の感覚を往復するアプローチから、「きもの」と人との関係をあらためて見つめ直す機会となりそうだ。

◎トークイベント
10月1日(水)11:00〜12:00|プロジェクトチームによるギャラリーツアー
10月4日(土)13:00〜13:45(30分+QA15分)|福井裕孝 × わかめかのこ「(きものの)しまいかた」
10月4日(土)16:30〜17:15(30分+QA15分)|安藤隆一郎 × BASSDRUM× 矢代真也「動きとシワ」の科学と技術
10月5日(日)13:00〜13:45(30分+QA15分)|服部和子きもの学院 × 矢代真也
着付けと「正しさ」を問い直す
10月11日(土)15:30〜16:15(30分+QA15分)|服部和子きもの学院 × 小形道正 × 矢代真也「着る」の社会学と着付けの現場から
10月12日(日)16:30〜17:15(30分+QA15分)|須田伸一 × 矢代真也 × わかめかのこ「ゆっくり・しっかり・のこす」ためのディレクションと編集
(最新情報は
コチラからご確認ください)

イベント概要


YSN ゆっくり・しっかり・のこす 着物を考えるための調べもの 「うごく かさなる "きもの"になる」編

会期:2025年10月1日(水)〜12日(日)11:00〜18:00 全日営業 
料金:入場無料
場所:Gallery SUGATA(京都府京都市中京区蛸薬師町271-1)